突然何の前触れもなく動悸や息苦しさ等が起こり、死が脳裏によぎる。そんな辛く苦しいパニック発作が何年も治らず、いつになったら治るのか?と思ったことありませんか?
この記事では、パニック障害で起こるパニック発作について、原因、症状は勿論の事、パニック発作が治らない要因としてストレス性の脳萎縮が関係していることに触れながら、パニック発作対処法や発作頻度を減らす方法について説明していきます。
パニック発作とは
パニック発作とは、なんの前触れもなく、ある日ある時、突然、めまいや吐き気、頭痛や息苦しさ、手足の震えや自分が自分でない感覚等が起こり、強い不安や恐怖心から、「ここまま死んでしまうのでは?」との考えが浮かび、いてもたってもいられなくなってしまう状態を言います。
自分の身に危険が迫っていないのに、脳が「危険が迫っている!」と勘違いして混乱。
体に間違った指令を出してしまう事によって症状が出るのがパニック発作です。
脳の混乱が症状が出ている原因ですから、パニック発作は延々と続くわけではなく、5分~20分程度で治まります。
ですが、パニック発作中は、時間が経てば症状が治まるなんて考える余地もありません。
ただただ、死への恐怖に怯えて、「どうしよう!」となってしまいます。
パニック発作時の症状
パニック発作といっても、様々な症状があり、人によって出る症状が違います。
具体的に、一体どのような症状が出るのでしょうか?
一般的によくみられるパニック発作時の症状について記載しました。
「パニック障害かな?」と思っておられる方は、自分の症状が当てはまるかどうか?チェックしてみましょう。
(前提)
パニック発作では、強い恐怖または不快感に加えて、以下の身体症状と精神症状のうち4つ以上が突然現れるのが特徴です。
(症状)
・胸の痛みまたは不快感
・窒息感、呼吸困難感
・めまい、ふらつき、または気が遠くなる
・非現実感、違和感、または外界との遊離感
(自分が自分でない感覚、自分の手足が自分の手足でない感覚など)
・ほてりまたは悪寒
・吐き気、腹痛、または下痢
・しびれまたはチクチク感
・動悸または頻脈
・発汗
・振戦または震え
*症状は、10分以内に最高レベルに到達し、20分以内に治まる。
症状が起こる頻度は、パニック発作と診断する条件ではありません。
毎日のように症状が繰り返し起こる人もいれば、数日発作が続いて数ヵ月は発作なく過ごせる人など、人によって全く違います。
パニック発作が治らないのは脳の萎縮が原因
不安や恐怖を感じることは誰にでもあります。
ですが、「このまま死んでしまう」とまで思うことは、命の危険にさらされてない限り、思うことはないはずです。
ですが、パニック発作では、命の危険にさらされてないにもかかわらず、「このまま死んでしまう」と思ってしまいます。
どうしてこのような現象が起こるのでしょうか?
パニック発作が起こる原因について説明します。
最近の研究によって、パニック発作を起こす人では、脳とくに前頭葉の血流の低下、そして、脳神経細胞の樹状突起の減少が起こっていることが分かりました。
前頭葉は、脳の司令塔。
様々な情報を元に、脳の各部位に指令を出すとともに、記憶力や集中力、判断力や思考力、コミュニケーション力や感情制御などあらゆる脳機能に関与しています。
この人が人として生活するために非常に重要である前頭葉の血流が積み重なるストレスによって低下してしまったため、さらには、セロトニン等の神経伝達物質を分泌し、脳における情報のやり取りに重要な役割を担っている脳神経細胞の樹状突起の減少によって、脳(前頭葉)の働きが悪くなってしまった結果、正しい判断や感情のコントロールができなくなってしまったことがパニック発作の原因です。
つまり、脳(前頭葉)の働きが低下しているため、命の危険が迫っていないのに迫っていると誤って認識し、間違った指示を出してしまうことで、動悸や息苦しさ、めまいや震え等の症状が出てしまうのがパニック障害です。加えて、生じた不安や恐怖心を抑える事ができないため、極限まで不安や恐怖心が増大するパニック発作が起こってしまうのです。
そして、パニック発作が繰り返し起こることによって、さらに、脳の血流の低下、脳細胞神経の樹状突起の減少が進み、脳が萎縮してしまいます。
パニック発作対処法と発作頻度を減らす方法
パニック発作中は、強い不安や恐怖心によって冷静に物事を考えることができません。
そして、パニック発作で死ぬと考えてしまいますが、パニック発作で死ぬことは、絶対にありません。
パニック障害では、前頭葉の血流の低下と働きの低下、さらには、繰り返し起こるパニック発作によって、ストレス性の脳の萎縮が起こると説明しましたが、実は、もう1つ、パニック障害では、扁桃体と呼ばれる部位の異常発達があると言われています。
ある研究によると、パニック発作を起こす人では、情動を司る扁桃体の細胞の樹状突起が異常に伸びているとのこと。
このため、些細なことでも、敏感に察知し、不安や恐怖を感じてしまうというのです。
つまり、パニック障害は、単なる、ストレスで起こっているわけではなく、ストレスが積み重なった結果、前頭葉の樹状突起の減少と扁桃体の樹状突起の増加といった脳の変化が起こり、それがパニック発作を発生させているのです。
脳の異常が原因なら、一生、治らない?と思うかもしれませんが、ストレス性の脳の変化は、認知症とは違い、回復可能です。
そこで、ストレス性の脳の変化、ストレス性の脳萎縮を回復させる方法について紹介します。
1/fゆらぎ効果を持つ自然の音楽を聴く
パニック障害では、扁桃体の樹状突起が伸びるという脳の異常が起こっています。
その異常を回復させる方法として、効果的なのが、「f/1ゆらぎ音楽を聴く」ことです。
f/1ゆらぎ音楽を聴くことによって、気持ちが穏やかになり、伸びていた扁桃体の樹状突起が元に戻るようになります。
この方法は、パニック発作中にも比較的できやすく、不安や恐怖を和らげる効果も高いです。
それでは、具体的に、1/fゆらぎ効果を持つ自然音について紹介します。
オススメは、「波の音」「小鳥のさえずり」「小川のせせらぎ」です。
波の音
小鳥のさえずり
小川のせせらぎ
ここで紹介した自然音は、あくまで参考で、このサウンドでないとダメというものではありません。
Youtubeなどで検索し、聴いてみて、心地よいと感じたら、そのサウンドで、OKです。
いつでも聴けるように、録音しておきましょう。
そして、時間が空いたら、繰り返し聴くようにしましょう。
パニック発作が起こったら、発作を静めるために、使用しても良いです。
音楽を聴いている最中、「不安」「怖い」「本当に治るのか?」等、いろいろな考えが頭の中を駆け巡るかもしれません。
ですが、そうした考えを否定したり、消そうとしたりする必要はありません。
浮かぶ考えはそのまま。ただひたすら、音に耳を傾けて、音を聴くことに意識を集中するようにしましょう。
音を聴いていれば、自然に考えは頭の中から消えていきます。
そして、不安も恐怖も和らいできます。
前頭葉の働きを強化する脳トレで発作頻度を減らす
パニック発作が繰り返し起こる原因として、ストレスによる脳(前頭葉)の働きの低下、さらには、ストレス性の脳萎縮があると説明したこと覚えていますか?
ストレスによる脳の働きの低下や脳萎縮は、認知症と違い、回復可能なものです。
ですので、脳(前頭葉)の働きを強化することで、パニック発作そのものを減らすことも可能となります。
脳の血流を増やす、脳細胞の樹状突起を伸ばす、さらには、セロトニン分泌を促す脳トレーニングを日常生活の中に取り入れてみましょう!
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