食トレ!鶏胸肉で効率よく筋肉をつける!美味しい食事レシピ4選

スポーツをする人に欠かせないのがタンパク質。その中でも高タンパクで低脂肪なのが鶏の胸肉です。

でも、ちょっとパサパサして食べづらいのが難点です。
今回は、そんな鶏の胸肉を美味しく食べるレシピをご紹介します。

筋肉をつける食事!鶏の胸肉で食トレ!

糖質制限ダイエットが流行して、タンパク質がしっかり取れる鶏肉がもてはやされるようになりましたね。スーパーだけではなく、コンビニでもサラダチキンの名前で、茹でた鶏胸肉は塊で売られるようになりました。

もともとボディビルダーなどは、筋肉を作るために鶏胸肉をたくさん摂る習慣があり、鶏胸肉は筋肉を作るために欠かせない食材です。

そんな鶏胸肉は、たくさんのメリットがありますが、「パサパサしている」「硬い」などのデメリットもあり、何より食べ続ければ「飽きる」ということが大きな問題です。今回は、鶏胸肉の「硬い」といったデメリットを無くす食べ方をご紹介します。

鶏肉を食べると良い筋肉ができるのかを検証してみる

ボディビルダーは鶏胸肉をとてもよく食べます。鶏胸肉はよい筋肉を作る上では必要なものなのでしょうか?鶏胸肉と他の肉を比較してみました。

鶏胸肉は筋肉をつくるBCAAとビタミンB6が多い

筋肉をつけるには、筋肉の材料となるアミノ酸(タンパク質)を摂る必要があります。アミノ酸は全部で20種類。なかでもBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)が筋肉を作る上では必要です。

BCAAは多くのタンパク質性食品(肉、魚、卵、大豆製品、乳製品)に含まれていますので、普段の食事で十分に摂取できます。

BCAAの含有量

バリン(mg) ロイシン(mg) イソロイシン(mg)
鶏胸肉 100g 1200 1900 1100
豚もも肉(赤身)100g 1100 1700 980
牛モモ肉(赤身)100g 1100 1800 990
鶏卵2個(100g) 760 610 1000
牛乳100ml 200 320 170

その他、筋肉を作るうえでは欠かせないのがビタミン・ミネラルです。さまざまなビタミン・ミネラルが筋肉の合成に関わっていますが、特にビタミンB6の役割が大きいです。

ビタミンB6はどのタンパク質性食品にも含まれていますが、鶏胸肉にやや多く含まれています。

そしてビタミンB6は体内にいる腸内細菌が合成できるビタミンでもあるので、あまり不足することがないビタミンでもあります。

鶏肉が筋肉に良いと言われる理由は、BCAAとビタミンB6がバランスよく含まれているからという事になります。

鶏胸肉のメリット

・他のお肉に比べて油が少ない

エネルギー(kcal) タンパク質 脂質(g)
鶏胸肉(皮なし) 121 24.4 1.9
鳥モモ肉(皮なし) 138 22 4.8
豚ロース肉(脂身つき) 740 18.3 76.3
豚ロース肉(脂身つき) 740 18.3 76.3
牛ロース肉(脂身つき) 318 56.4 26.4

鶏胸肉は、豚肉や牛肉に比べて脂が少ないことがわかります。さらに、鶏もも肉よりも脂が少ないです。タンパク質だけを取りたい場合、他のお肉ではちまちま脂の部分を切り取らなければいけませんが、鶏胸肉は皮を外すだけなので簡単です。

・安い

鶏胸肉の最大のメリットは「安い」ということです。筋肉を作るのは長い時間がかかりますので、続けられる価格でなければいけません。

筋肉をつける為に必要なタンパク質の量

体重70kgの成人男性が、筋肉をたくさんつけようと思う時には、体重(kg)×2=150g程度のタンパク質が必要です。

1日150gのタンパク質を取るには、鶏胸肉なら500g程度、牛もも赤身肉なら600g程度、豚もも赤身肉なら550g程度摂らなければいけません。(他の食品からのタンパク質は30g摂ると仮定)鶏胸肉500gとは、大きな鶏胸肉2枚程度の量です。

それぞれの100gの値段が、鶏胸肉は80円程度、牛もも肉赤身300円程度、豚もも赤身肉150円程度ですね。ダントツで鶏肉が安いのです。

筋肉をつけるためには、1日だけタンパク質を多く摂れば良いというものではありません。継続的に多くのタンパク質を取るには、安価であることはとても重要です。そうなると、鶏肉は最も適していると言えるのです。

鶏肉の中でも効率的に筋肉をつけられる部位はどこ?

同じ鶏肉なら、鶏モモ肉やササミなどがありますね。鶏モモ肉やササミではいけないのでしょうか?

鶏胸肉VS鶏モモ肉

鶏モモ肉は鶏胸肉よりはちょっと高いですが、牛肉や豚肉よりは安価で、好んで食べる人もいます。

鶏モモ肉と鶏胸肉の大きな違いは「脂」です。同じ皮なし100gでも、脂の量は2倍以上あり、タンパク質量は鶏胸肉よりやや少ないです。

筋肉をつけたいときに増やしたいのはタンパク質であり、脂はさほど増やす必要がありません。そうなると、鶏モモ肉をたくさん食べるのは不向きとなるのです。

鶏胸肉VSササミ

ササミは鶏胸肉に比べ、葉酸やビタミンB6もやや多く含まれ、脂質は胸肉より少ないです。筋肉をつけるにはとても良い食材になります。しかし、鶏胸肉より料理のレパートリーが少なく、摂りずらいのが難点です。

ササミ1本50g程度なので、先ほどの鶏胸肉と同じ量500g摂るには、10本食べることになります。1日でササミ10本は、なかなか厳しい量ですね。

実は筋肉を作るのに脂肪も必要だった

タンパク質の役割は、筋肉になることだけではありません。糖質や脂質の摂取量が少なく体を動かすためのエネルギーが足りないと、筋肉になるはずのタンパク質をエネルギー源として利用したり、体の筋肉を壊してエネルギーにして利用したりします。

なので、摂ったタンパク質を効率よく筋肉にする為には、糖質や脂質も十分摂って、タンパク質をエネルギー源として利用しないようにすることが大事です。

筋肉が最も作られる2つの時間帯は「トレーニング後」と「睡眠中」です。これらの時間には、筋肉となるタンパク質だけを低脂肪牛乳やサプリメントなどで摂取し、消化に時間のかかる脂質などは通常の食事として摂取するだけで十分です。

鶏肉は脳にいいってホント?

「鶏肉が脳に良い」という研究結果が広まっており、積極的に鶏肉を摂るのはいいことではないかと言われています。

この研究をちょっと詳しく見ていくと、鶏肉に含まれるコリンというビタミン様物質が、認知機能が低下を防ぐという結果のようです。

ビタミン様物質とは
人間の体内で合成が出来て、ビタミンに近い栄養が得られるものです。
ビタミンの様な物質なので「ビタミン様物質」と名づけられています。

コリンは神経細胞を構成する成分で、アルツハイマー型認知症はこのコリンが不足していることが多く見られています。そして、コリンを摂取すると症状が改善したという症例報告もあるのです。

しかし、あくまで症例報告であり、正確にはコリンに認知機能に効果があるとは認められていません。

体に良いと言われる話は広まるのが早く、正しく伝わらないものもです。「鶏肉が脳に良い」という一言が独り歩きした状態であると思われます。これだけを聞いてしまうと、スポーツで疲れた脳を元気にさせるには鶏肉がいい!と勘違いしてしまいそうですね。

現時点では「鶏肉が脳に良いというのは認知症に関してのこと。さらに今はまだ噂話程度。今後の研究に期待しましょう。」と言えるでしょう。

ちなみに、コリンについては摂り過ぎによる副作用のリスクもあります。1日3500mg以上のコリン摂取で、発汗や魚臭い体臭、胃腸の不調、嘔吐、不眠症、めまいや頭痛をおこす可能性があるとされています。

鶏胸肉のコリン含有量は100g中に60mgですから、鶏胸肉を1日500g食べても、コリンの摂取量は300mgなので問題ありません。

鶏胸肉を柔らかく・そして筋肉をつける食事のレシピ

鶏胸肉のデメリッとしてト「硬い」があげられますが、実は鶏胸肉は硬い食材ではないのです。鶏胸肉を硬いと感じてしまうのは、加熱のしすぎや、調理方法の不備が原因です。鶏胸肉を柔らかく食べるには、どんな料理にも先ずこの「下処理」を行いましょう。

鶏胸肉を劇的に柔らかくする下処理

1・鶏胸肉の皮をはずし、肉全体にフォークで穴をあけます。
2・鶏胸肉を袋にいれ、肉の重さの10%の水、1%の塩、1%の砂糖を加えて揉み込みます。
3・30分以上冷蔵庫で寝かせます。

鶏胸肉をスーパーで買えば、ラベルに重さが記載してあるので、重さを量る必要はありませんね。300gの鶏胸肉な水30ml、塩3g、砂糖3gです。鶏胸肉を買ってきた時、全ての肉にこの下処理をして冷蔵庫に入れておけば簡単ですね。

使うときに取り出すと、入れた水が消えていることがわかります。水は塩と砂糖の力で鶏胸肉に吸い込まれ、留まっているのです。これが鶏胸肉を柔らかくする秘密なのです。

筋肉をつける食事①鶏胸肉のソテーこってりソース

鶏胸肉のソテーは定番の料理です。鶏胸肉を油を敷いたフライパンでただ焼くだけでは、鶏胸肉は美味しく食べられません。ここのちょっとした工夫をします。

・材料(1人分)
鶏胸肉(下処理済み)1枚
油 大さじ3
塩コショウ 適宜
小麦粉 適宜
醤油 大さじ1と1/2
砂糖 大さじ1
酒 大さじ2
片栗粉 小さじ1

・作り方
1、鶏胸肉を、同じ厚さになるように開き、塩コショウをまぶします。
2、鶏胸肉の表面に、小麦粉を薄くまぶします。
3、フライパンに油を敷いて、熱します。
4、フライパンで鶏胸肉を焼いていきます。(中火)
5、焦げ目が付いたら、ひっくり返して同じように焼き目が付くまで焼きます。
6、焦げ目が付いたら、フライパンの油をキッチンペーパーで拭き取ります。
7、火を止めて、フライパンに蓋をして5分おきます。
8、一口大に切って、皿に盛り付けます。
9、肉を焼いたフライパンに、醤油、砂糖、酒を加えて煮立たせます。
10、水溶き片栗粉を加え、とろみをつけます。
11、盛り付けた鶏胸肉にソースをかけます。

鶏胸肉のソテーを作るポイントは3つです。1つ目は、肉に含ませた水分を逃さないように、小麦粉で表面に膜を作ることです。2つ目は、多めの油で焼いて、後からキッチンペーパーで拭き取ることです。そうすることで、綺麗に焼くことができます。3つ目は、余熱でしっかり火を通すことです。そのためには、肉を開いて厚さを同じにしておくことを忘れないで下さいね。

筋肉をつける食事②鶏胸肉のさっぱり餃子

餃子は大好きな人も多いメニューですね。しかし、手作りするにはなかなか難しいし、豚肉で油たっぷりなので、鶏胸肉とは正反対です。しかし、工夫すればおいしい餃子が簡単に出来てしまうのです。

・材料(1人分)
餃子の皮 10枚
ニラ 1/3束
鶏胸肉(下処理済み)100g
小麦粉 適宜
油 大さじ1
ごま油 小さじ1

・作り方
1・ニラを長さ5cm程度に切ります。
2・鶏胸肉は5cmの棒状に、20本に切り分けます。
3・小麦粉は少量の水を加えて糊状にします。
4・餃子の皮の真ん中に、ニラと鶏胸肉2本を置き、両端を畳んで小麦粉の糊でくっつけます。同じものを10個作ります。
5・フライパンに油を敷き、くっつけた方を下にして並べます。
6・中火にかけ、焦げ目が付くまで焼きます。
7・ひっくり返し、大さじ3の水を加え、蓋をしめて蒸し焼きにします。
8・水が無くなったら、ごま油を加え、焼き目が付いたらお皿に盛り付けます。
9・好みのタレをつけていただきます。

このメニューのポイントは、2つあります。1つ目は、通常の餃子と違って手順がとても少ないことです。切って巻いて焼くだけなので、タネを作ることもなく、包むこともしないのでとても簡単です。

2つ目は、下味が何もついていないので、好みのタレを作って食べられることです。鶏胸肉はさっぱりしているので、どんなタレにも合う食材です。

練習で疲れている時は、どんな味付けが食べたいのか、家族はなかなか判らないものです。そんな時にも、冷蔵庫にある調味料で本人に好みのタレを作って貰えればいいので作りやすいメニューですね。

筋肉をつける食事③酢鶏

鶏胸肉と野菜を両方一緒に摂れるメニューです。豚肉の代わりに鶏胸肉を使い、片栗粉で肉の表面をコーティングするので、ほど良いとろみが鶏肉のパサパサ感を無くします。

材料(1人分)
・鶏胸肉(皮なし):1/2枚(120g)
・片栗粉 :大さじ1
・サラダ油:大さじ1
・ピーマン:1個
・玉ねぎ:1/2個
・人参:1/3本
・穀物酢:大さじ2
・醤油:大さじ1
・ケチャップ:大さじ1
・中華だし:小さじ1/2
・料理酒:大さじ3
・片栗粉(とろみ用):適宜

作り方
1、人参は皮をむいて乱切りにし、電子レンジで柔らかくなるまで加熱します。
2、鶏肉は一口大に切り、フォークで穴をあけ、片栗粉をまぶします。
3、ピーマンと玉ねぎは乱切りします。
4、穀物酢、醤油、ケチャップ、中華だし、料理酒を混ぜ合わせます。
5、フライパンにサラダ油を敷き、鶏肉の表面とまんべんなく焼き、一度取り出します。
6、ピーマン、玉ねぎをフライパンで炒め、人参を加えて炒め合わせます。
7.鶏肉をフライパンに戻し、合わせ調味料を加え、鶏肉に火が通るまで煮ます。
8、水溶き片栗粉を加え、とろみを付けます。

筋肉の合成に必要なビタミンCは、実はピーマンに多く含まれています。さらに、人参のカロテンは油と一緒に摂ると吸収率がアップします。下揚げをしないので、手軽に作れるのでおススメです。

筋肉をつける食事④ダイス状のパワーサラダ

パワーサラダは、糖質、タンパク質、脂質、そして野菜を一緒に摂れるサラダです。この一皿で食事が完結するように作ります。

材料(一人分)
・ビーンズミックス(水煮レトルト)125g(1P)
・きゅうり:1本
・トマト:中1個
・アボカド:1/2個
・鶏胸肉皮なし:1/2枚(120g)
・冷凍コーン:大さじ3
・ノンオイル青じそドレッシング:大さじ1と1/2

作り方
1、ビーンズミックスは軽く水洗いしておきます。
2、きゅうりは縦に十字に切り、その後1㎝程度に切るとサイコロ状になります。
3、冷凍コーンは電子レンジで解凍しておきます。
4、トマトは1/4に切り、種の部分を取り除き、きゅうりと同じ程度の大きさに切ります。
5、鶏胸肉は茹でて、サイコロ状に切ります。
6、アボカドはきゅうりと同じ程度の大きさに切ります。
7、全ての具材をボウルに入れ、さっと混ぜ合わせます。
8、お皿に盛り付け、ドレッシングを添えます。

豆の糖質、鶏胸肉のタンパク質、アボカドの脂質をメインに、きゅうりやトマトなどサイコロ状に切ってスプーンで食べます。

激しいトレーニングを行った後など、食欲がない時にキンキンに冷やしたこのサラダは、食が進みますよ。

鶏胸肉を美味しく食べるコツ

その他、鶏胸肉は茹でて細かく裂いて、冷凍しておくと使いやすいです。スープに入れたり、サラダに入れたり、うどんやそばなどのトッピングとして利用できます。

電子レンジで解凍して食パンに乗せ、チーズやケチャップを乗せて焼けば簡単なピザになりますので、朝食などにおススメです。

鶏胸肉の塊を食べようと思うと苦しいですが、細かくさまざまな料理に入れると無理なく摂ることができますよ。

まとめ

鶏胸肉は、筋肉を作る時にはとても重宝する食材です。なかなか食べにくかったり、飽きてしまったりするのが鶏胸肉の難点です。

鶏胸肉を柔らかく、ジューシーに仕上げるには、ちょっとしたコツを使えば誰でも簡単に美味しくすることができますよ。

三沢奈緒子(管理栄養士)●文

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