タンパク質のとりすぎは危険!栄養士が教える適切な量とは?

タンパク質をとりすぎたとしても、体に重大な害が及ぼされる心配は少ないと言われています。

しかし、どれだけ摂取しても体に全く影響が出ないわけではありません。

その人の健康状態やそのときの体調によってもタンパク質の摂取量を調整する必要があるのです。

今回は栄養士の小川真美先生がタンパク質摂取量について解説していきます。

タンパク質はとりすぎても大丈夫?

日本人のタンパク質摂取量はかなり多い

日本人のタンパク質摂取量は年々減少傾向にあると言われています。

実はそれでもかなり多いです。

ただ、タンパク質の摂取量に上限は決められておらず、タンパク質の摂取を抑えるべきだということは言われていません。

タンパク質の平均摂取量

日本人のタンパク質平均摂取量について以下に示しました。

20歳以上のタンパク質の平均摂取量

男性 75.7g
女性 64.0g
(平成28年国民健康栄養調査)

 

これだけでは摂取が多いのか少ないのか分かりませんから、必要量と推奨量について見ていきます。

タンパク質摂取の必要量・推奨量

厚生労働省から発表されているタンパク質摂取の必要量・推奨量は以下の通りです。

タンパク質の食事摂取基準(18歳以上)

男性 50g 60g
女性 40g 50g

 

「20歳以上のタンパク質の平均摂取量」と「推奨量」を比べると、男性女性ともに15g前後も多く摂取していることが分かりますね。

タンパク質の過剰摂取による影響

タンパク質を過剰に摂取すると

  • 内臓疲労
  • 尿路結石
  • 腸内環境の乱れ
  • 肥満

を引き起こす可能性が高まってしまいます。

内臓疲労を引き起こす

内臓疲労

タンパク質は消化が難しい栄養素であり、摂取量が多いほど消化過程において内臓にかかる負担が大きいです。

食事においてタンパク質を摂取すると、体内で合成と分解を繰り返して消化されていきます。

また、過剰に摂取した分のタンパク質は窒素となるまで分解され、窒素を体外へ排泄するために肝臓と腎臓の働きが加わります。

体に必要のない窒素は有害なアンモニアに変わってしまうため、肝臓で無毒な尿素に変換された後に腎臓にて尿として排泄されるのです。

このように、タンパク質を過剰に摂取すると多くの内臓の働きが必要となるため、内臓疲労を引き起こしてしまう可能性が高まります。

尿路結石のリスクが高まる

動物性タンパク質を摂取しすぎることで尿路結石のリスクが高まると言われています。

尿路結石とは、腎臓から尿道までの尿路に結石が生じる疾患であり、尿管を刺激したり尿の流れをせき止めたりすることでさまざまな症状が引き起こされるのです。

動物性タンパク質摂取すると、体内で「シュウ酸」という物質が増えます。

シュウ酸の多くは腸で吸収されますが、吸収できない分は尿として排泄されます。

尿として排泄される過程において、シュウ酸はカルシウムと結合しやすい性質を持つため、尿中のカルシウムと結合してしまうことが考えられるのです。

シュウ酸がカルシウムと結合することで石のような塊となって、尿路に詰まってしまい、これが尿路結石発症の原因となります。

腸内環境が乱れる

タンパク質は腸内の悪玉菌のエサとなるため、タンパク質を摂取しすぎると腸内の悪玉菌が増えて腸内環境が乱れてしまい、便秘や下痢を引き起こしかねません。

悪玉菌は本来、腸内ではわずかにしか存在しないはずですが、タンパク質の摂取量が多い場合には悪玉菌が増えて腐敗産物が多くつくられてしまうのです。

腐敗産物が多くなることで腸内環境が乱れると、便秘や下痢を引き起こすだけでなく、口臭や体臭がきつくなるとも言われています。

肥満を招く可能性がある

肥満

食事においてタンパク質を多く摂取すると、同時にカロリー摂取も増やすことになります。

肉や卵などのタンパク質が多く含まれる食品は比較的カロリーが高い食品です。

さらに調理をして調味料などが加わると、さらにカロリーが付加されてしまいます。

淡白な魚やヘルシーな大豆製品などを多く用いて、できる限りカロリー摂取が増えない調理法や味付けにすれば、かなりカロリー摂取が抑えられ、肥満を招く可能性は低くなります。

また、さらに摂取カロリーを抑えてタンパク質を摂取したい方はプロテインを活用するのが良いでしょう。

1日に摂取するタンパク質食品のおすすめ量

1日に摂取するタンパク質食品のおすすめ量をご紹介していきます。

タンパク質摂取の推奨量は男性60g、女性50gとなっています。

タンパク質食品以外からもタンパク質を摂取することを見込んで、45g前後のタンパク質が摂取できるタンパク質の食品の組み合わせと摂取量を4パターンを紹介しますね。

食品の組み合わせ

●納豆1パック5.0g+卵1個12.3g+豆乳コップ一杯(200ml)7.2g+牛もも肉(100g)19.5g=45.5g

●ソーセージ中2本5.3g+牛乳コップ一杯(200ml)6.6g+ささみ(100g)23.0g+マグロの刺身(50g)13.2=48.1g

●豆腐(1/3丁)7.2g+シーチキン(1/2缶)8.0g+鮭(80g)15.7g+豚バラ肉(100g)14.4=45.3g

●魚肉ソーセージ1本9.2g+ロースハム2枚6.6g+ヨーグルト1カップ4.3g+鶏むね肉(100g)23.3=43.4g

 

「プロテイン」の摂取量にはとくに注意!

プロテイン

ダイエット中の方や筋トレに励んでいる方の中には、プロテインを活用してタンパク質を多く摂取することを意識しているという方もいらっしゃるかもしれませんね。

プロテインはカロリー摂取を大幅に増やすことなくタンパク質を摂取することができるため、スリムな体を維持したい方には最適な商品です。

ただし、パッケージに記載の目安量をきちんと守って摂取するようにしてください。

プロテインは簡単に摂取することができるため、目安量を気にせずむやみやたらに摂取していては確実にタンパク質の過剰摂取となってしまいます。

健康な体でダイエットや筋トレを続けるためにも、適切な量のプロテインを飲み続けましょう。

タンパク質を多めに摂取するべき人は?

次のような方たちはタンパク質を多めに摂取すると良いと言われています。

  • 筋トレ中の方
  • ダイエット中の方
  • 身体に負傷がある方
  • お年寄りの方

タンパク質は筋肉の主な構成成分であるため、筋トレ中の方は推奨量よりも多めに摂取するのが良いでしょう。

ダイエット中の方についても、タンパク質を多めに摂取してください。

糖質や脂質などの栄養素の摂取を減らして脂肪を落とすのは良いですが、筋肉は落とすべきではないからです。

また、身体に負傷がある方は細胞の修復を早めるためにもタンパク質を多く摂取するべきです。

ただし、タンパク質の消化は内臓にかかる負担が大きいため、内臓の疾患のある方はむしろ、タンパク質の摂取量を抑えましょう。

お年寄りの方についてはとくに、タンパク質を多めに摂取すると良いと言われていて、中でも動物性タンパク質の摂取がおすすめです。

動物性タンパク質は吸収率が高く、筋力低下を防いで健康で元気な身体を維持しやすくなります。

まとめ

今回は、タンパク質のとりすぎについて詳しくご説明してきました。

タンパク質のとりすぎによって身体に重大な害が及ぼされる心配は少ないため、それほど気にする必要はありません。

むしろ、筋トレ中の方やダイエット中の方、身体に負傷がある方、お年寄りの方は体の状態を見ながら、少々多めにタンパク質を摂取するのが良いです。

ただし、タンパク質の過剰摂取によって引き起こされる内臓疲労や尿路結石、腸内環境の乱れ、肥満などの影響が気になる方はタンパク質の摂取量を見直してみることをおすすめします。

小川真美(栄養士)●文

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