妊婦や産後の尿漏れがひどい方に。対策と体操の方法を教えます。

妊娠や出産したあとに咳やくしゃみで尿もれをするのってイヤですよね。

多くの女性が悩まされる尿もれの原因や対策方法などをお伝えしていきます。

妊婦に多い尿もれ

尿もれとは尿失禁ともいい、自分が意図するタイミングではなく尿が出てしまいます。

尿もれには以下の種類があります。

腹圧性尿失禁

くしゃみやいきみなどお腹に力が入った時に生じる尿失禁です。

女性の尿失禁の中で一番多く、妊娠や出産を機に生じる尿もれの原因のほとんどがこれに当たります。

切迫性尿失禁

急に尿意が強まり、我慢できずに漏れてしまうのが切迫性尿失禁です。

原因がはっきりとわからない事もあり、男性では前立腺肥大症、女性は膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱も切迫性尿失禁の原因になる事もあります。

溢流性尿失禁

自分で尿を出したいのに出さない、しかし少しずつ尿が漏れてしまうのが溢流性尿失禁です。

尿が出にくくなる排尿障害が先行して起こる事が多く、前立腺肥大症から男性に多くみられます。

機能性尿失禁

排尿機能は正常ですが、認知症や歩行障害などによって起こる尿失禁です。

排尿のメカニズム

・尿とは血液が濾過されたものです。

・余分な毒素や老廃物や水分を尿として体外に排出する必要があります。

・尿は身体の中の膀胱(ぼうこう)という部分に溜められ、だいたい150〜300ccくらいまで尿を溜めておく事ができます。

・その溜まっている尿が漏れないように、尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)をはじめとする骨盤底筋群が緊張する事で、排尿をコントロールしています。

・この骨盤底筋群(後述)は無意識下で緊張をしており、尿が漏れない事を可能にしています。

・膀胱に尿が溜まってくると、その情報が脳へと伝えられ尿を排出しようとする信号が出されます。これが尿意です。

・しかしトイレが近くになかったりすぐに排尿できない場合には、意図的に尿道括約筋が収縮し排尿をコントロールします。

・排尿をする際には、尿道括約筋を緩ませる事で尿を外へ排出します。

尿もれと破水の違い

出産前に卵膜が破れ、羊水が子宮口から出てくることを破水といいます。

破水で出てくる羊水の量は、子宮内の位置によって異なります。

子宮口から遠い箇所で起こるのを高位破水、子宮口から近い箇所で起こるのを低位破水といいます。

高位破水の場合は羊水は少量です。

低位破水の場合は大量の羊水が漏れ出てきます。

一見、尿もれと区別が付きにくいですが違いを挙げていきます。

羊水

●透明で無臭、もしくは生臭い匂い
●自分の意思では止められない

尿

●特有のアンモニア臭
●少し黄色がかっている
●自分の意思で止められる

破水の場合は清潔なナプキンやバスタオルを当てて直ちに病院を受診して下さい。

妊娠時の尿もれの原因

妊娠すると尿もれしやすくなりますが、原因として2つの影響が挙げられます。

ホルモンの影響

妊娠後にはプロゲステロンとリラキシンというホルモンの分泌が増加します。

プロゲステロンは子宮内膜を厚くし、受精卵を着床しやすくしたり、体温を上昇させて妊娠を継続させる作用があります。

リラキシンは関節や靭帯を緩める作用があり、子宮の弛緩や恥骨結合を緩める作用があり、大きくなる子宮に身体が柔軟に対応できるようにします。

これらのホルモンの影響で骨盤の関節や靭帯、骨盤底筋群が緩み、くしゃみやいきみで腹圧がかかった時に尿もれが生じてしまうのです。

子宮が大きくなる影響

妊娠時期が進むにつれて、子宮は大きくなっていきます。

大きくなった子宮は膀胱を上から圧迫するようになり、骨盤底筋群には引き伸ばされるような力が加わります。

そのため骨盤底筋群の収縮が弱まり、尿もれの原因となります。

女性の体の構造の影響

女性の場合、男性と体の構造が違う事も尿もれしやすい原因となります。

膀胱から尿道を通って体外に排尿されますが、男性の尿道の長さは15〜20cmで細い形状である事に対し、女性の尿道は3〜4cmで短く太い形状となっています。

また、排尿をコントロールする骨盤底筋群も女性の方が緩みやすく、柔らかい構造となっています。

これらの形状の違いからも、女性の方が尿もれしやすい原因となっています。

尿もれを改善するには筋肉を鍛えよう

鍛えたい①骨盤底筋群

骨盤底筋群

骨盤底筋群

骨盤底筋群とは文字通り骨盤の底にある筋肉で、ハンモックのように存在し膀胱や子宮、直腸などを支えています。

働きとしては尿や便の排泄に関わり、膀胱や尿道、膣、肛門を引き締める作用があります。

この骨盤底筋群が働くことで尿や便が漏れないように制御しているのです。

骨盤底筋群は妊娠や産後に筋力が弱まると言われています。

妊娠初期から分泌されるリラキシンというホルモンの影響で、骨盤の靭帯や関節が緩みますがその緩んだ分、骨盤底筋群に大きな負担がかかります。

その後赤ちゃんが産道を通過したり、出産時のいきみなどで更なる負担がかかる事で骨盤底筋群は大きなダメージを受けてしまいます。

そのダメージを受けたままの骨盤底筋群は働きが不十分となり、尿道を閉めにくくなる事が尿もれの原因となるのです。

骨盤底筋群はお腹のインナーマッスルと強調して働くことが知られています。お腹のインナーマッスルを鍛える事も尿もれには重要です。

鍛えたい②腹横筋

腹横筋

腹横筋

腹横筋はお腹にある筋肉で最も深い位置にある筋肉です。

腹直筋よりももっと深い部分に存在しています。

インナーマッスルと言われる筋肉です。

内臓を保護したり、体幹を安定させたり、呼吸に関与したりと体にとって非常に重要な役割を担っています。

腰に巻く腰痛ベルトをコルセットと呼びますが、腹横筋は「コルセット筋」と呼ばれており、腰の支えとしても重要な役割を担っています。

この骨盤底筋群と腹横筋は互いに連動して働きます。

尿もれを改善するトレーニング方法

骨盤底筋群トレーニング

妊娠・産後の尿もれ改善にはこの骨盤底筋群と腹横筋の機能改善が重要となります。

①仰向けで膝を立てて寝ます。手は膣、または肛門に触れておきます。

②力を抜いて、肛門、膣、尿道を締めて(尿を途中で止めるように力をいれる)、骨盤底筋群を胸の方に持ち上げます。

その状態で10秒程度止めます。

③次に肛門、膣、尿道を20秒ほど緩めます。(緩める時は排尿をするような感じで骨盤底筋群を下に下げます)

②③を繰り返します。
※行き過ぎると漏れてしまうので注意です。



①仰向けで膝を立てて寝ます

②バスタオルや枕などを膝の間に挟み、それを落とさないように内ももに力を入れます。

③その状態でお尻を上に持ち上げます。

④ 肛門、膣、尿道を締めて(尿を途中で止めるように力をいれる)、骨盤底筋群を胸の方に持ち上げます。

その状態で10秒キープします。

ちゃんとトレーニング出来てるか?チェック

①体育座りをして骨盤を立てるようにして姿勢を起こします。

②膣と肛門の間の部分を手で触れ、息を吐きながら肛門を締めるように力を入れる事で、その部分が体に引き込む事を確認します。

②が感じられたら骨盤底筋群がうまく収縮できています。息を吐きながら骨盤底筋群を働かせる事で、横隔膜も連動するだけ収縮しやすくなります。

腹横筋トレーニング(ドローイン)

①膝を立てて仰向けで寝て、大きく息を吸ってお腹を膨らませます。

②吐きながらお腹を凹ませていきます。手が当たっている部分が硬くなってくるかと思います。その凹ませた状態をキープしたまま、呼吸ゆっくり行います。この状態を10秒間保持します。

※お腹を凹ませる時は、キツめのズボンを履くようなイメージでお腹を凹ませます。

※あまりお腹を凹ませ過ぎたり、腰を反ったりすると他の筋肉が働きすぎてしまい効果的な運動ではなくなってしまいます。

※慣れてきたら立ったままでも同じように行いましょう。背筋が丸まらないようにして行うのがポイントです。

まとめ

妊娠時や産後の尿もれの原因は骨盤底筋群の弱化が主である。
改善や予防は骨盤底筋群や腹横筋の機能回復が重要である。

最初のコメントをしよう

必須