ストレートネックの枕は?治し方・改善・矯正・ストレッチ全知識

最近はスマホやパソコン、ゲームの普及で下を向く時間が多い人が増えています。

その影響により、首や肩の痛み、重たい張りが出てしまう症状があります。

それはストレートネックという障害です。

今回は首がまっすぐになってしまう、このストレートネックの改善方法について徹底解説します。

ストレートネックとは

まずは背骨について解説

人間の体には体を支えているのは背骨です。

一般に背骨と言われている部分を脊椎(せきつい)といいます。

脊椎は以下の部位で構成されています。

    • 首の部分を頚椎(7個)
    • 胸の部分を胸椎(12個)
    • 腰の部分を腰椎(5個)
    • 腰椎の下に仙骨、尾骨と続きます。

図のようにS字のカーブを描くようになっています。前へのカーブを前弯、後ろへのカーブを後弯といいます。

正常では頚椎は前へのカーブ(前弯)、胸椎は後ろへのカーブ(後弯)、腰椎は前へのカーブ(前弯)しています。

ストレートネックとは、前へのカーブ(前弯)が乏しく、まっすぐになっている状態をいいます。

角度が30度以下だとストレートネックです。

細かく言うと、第一頚椎と第七頚椎の傾きの角度が30度よりも少ないとストレートネックと言われます。

ストレートネックだとなぜいけないのか?

脊椎はS字のカーブを描く事で、重力や床からの衝撃を和らげてくれています。

カーブが乏しいとその力がモロに体にかかる事になり痛みや変形の原因となってしまいます。

出典:http://www.straight-neck.com/

また頚椎のすぐ上には頭があります。頭の重さは体重の8〜13%と言われています。

体重60kgの人ですと、なんと頭の重さは6kgの重さとなります。

ストレートネックの人は6kgの重さが脊椎にモロにかかるわけです。

またストレートネックでは頭が体よりも前方へ出てしまいます。

写真のように頭が前に出れば出るほど、首や肩にかかる頭の重たさは強くなってしまいます。

ストレートネックになる原因

ストレートネックになってしまう原因は以下の通りです。

①スマホやパソコン作業などで姿勢が悪い

スマホやパソコンの画面を長時間見ている人に多い姿勢の悪さが一番の原因となります。

画面を見るために頭が前に出てしまったり、猫背になることで頚椎の前へのカーブ(前弯)が失われストレートネックを助長してしまいます。

②バレエやフィギィアスケート、体操などのスポーツの影響

意外にもバレエやフィギィアスケート、体操などの競技をしている人にもストレートネックはみられます。

これらの競技に共通しているのは回転をするという事です。

効率良い回転をするためには体を一直線にまっすぐ保つ事が重要となります。

練習の際に常にまっすぐ立つように矯正を続けることによって、背骨の自然なカーブが失われてしまう事によってストレートネックになってしまうのです。

③加齢による変化

加齢により、首を支える筋肉が弱くなったり、背骨の間にある椎間板というクッションが減少してしまう事によってストレートネックになる事もあります。

④外傷によるもの

交通事故のむち打ち症状やスポーツでのボディコンタクトによって首を痛めた事が原因でストレートネックになる事もあります。

一度の衝撃でストレートネックになる事はないですが、痛みによって首の筋肉が硬くなったり、支える筋肉が弱まってしまう事で発症してしまいます。

⑤骨盤が後ろに倒れている→猫背

骨盤が後方に倒れている状態を後傾といいます。

骨盤が後傾すると、その上にある背骨が丸まりやすくなります。

すると猫背となり、猫背となると首が前に出やすくなってしまいます。この動きの繋がりによりストレートネックになってしまう事もあります。

自宅で出来るストレートネックのチェック方法

簡単にストレートネックかどうかをチェックする方法をお伝えします。

頭が壁につかないとストレートネックの可能性が大です

壁を背にしてまっすぐ立ちます。踵とお尻と背中を壁にくっつけて立ち、頭が壁につかない場合はストレートネックである可能性が高いです。

整形外科でレントゲンを撮ると医師から指摘される事もあります。

ストレートネックなると起こる症状

  • 頭痛がする
  • 肩が凝る・重だるい
  • 首が痛い
  • 手の痺れが出る
  • 首の動きに制限が出る
  • めまいやふらつきがする
注意

●ストレートネックだから、必ず痛みや凝りの症状が出るわけではありません。

●ストレートネックによって首や肩の筋肉が硬くなったり、伸ばされた状態が続く事で症状が出ます。

●ストレートネックは物を噛む力(咀嚼:そしゃく)が弱くなります。

●ストレートネックは飲み込む能力(嚥下:えんげ)も弱くなってしまいます。

ストレートネックの治し方・矯正の方法

ストレートネックの治し方・矯正の方法をお伝えします。

① 座るときの姿勢を改善する

長時間デスクワークをする人は座っている姿勢を改善する事が最も重要となります。

理想は横から見たときに、背骨から引いた直線の真上に耳の穴がくるの位置です。

この位置こそ重力に対して最も負担のかからない姿勢です。

この線から頭が前に出た分だけ、首に負担がかかってしまいます。

具体的には

  • 骨盤を起こして座る
  • デスクの高さを調整する
  • デスクとの距離を調節する

ということを心がけましょう。

理想的なのは右の人の座り方です。
首と体幹が一直線となり、股関節と膝関節かほぼ直角に曲がり、足の裏が地面にしっかりとついている状態です。

左の人は悪い姿勢です。頭が前に出てしまうと負担がかかってしまうからです。

理想的な椅子と机の高さ

●理想的な椅子の高さ
身長×0.25-(0~2)cm

●理想的な机の高さ
身長×0.25-(0~2)+身長×0.183-(0~2)cm

このように仕事やパソコンをするときの環境を整える事も大切です。

②枕の高さを改善

寝る時の理想的な枕の高さは頸椎が過剰にわん曲をせず、顎を軽く引いた姿勢が理想です。

まくらの知識

枕を使用しない場合

●頸椎が後ろに反ってしまい、顎が突き出る姿勢となります。

●さらにその代償で胸椎が過剰に丸々、いわゆる猫背となってしまいます。

枕が高い場合
●首が前に出てしまい、背中が丸まり背骨の理想的なカーブが失われてしまいます。

出典:姿勢の教科書

色々な枕が出ていますが、バスタオルで高さを調整して理想的な高さを探すのが良いでしょう。

傾斜は15~20°が理想的な高さです。

ただし、寝具の柔らかさや形状によって高さに違いが出てしまうので注意が必要です。

仰向けの場合

  • バスタオルを肩口ぎりぎりまでしっかり入れます。
  • 横幅は50~60cmくらいにします。
  • 傾斜を15~20°程度とします。
  • のどが詰まる感じがしないか、呼吸は楽に行えるかをチェックします。

横向きの場合

  • 首が横に傾かないような高さに設定します。

ストレートネックのストレッチ・体操

ストレートネックに効果的なストレッチ、体操をお伝えします。

後頭下筋のストレッチ

後頭下筋にテニスボールを当てる

ストレートネックとなると首と頭をつないでいる後頭下筋という筋肉が硬くなります。

テニスボールを使い、壁や床に頭を押し当てて後頭下筋を圧迫してほぐします。
30秒程度圧迫し、それを数回繰り返します。

首のストレッチ

タオルを使用し、首の後ろに通します。手で前に引っ張ったまま首を後ろに倒してストレッチしていきます。

だいたい30秒ほどその姿勢を保持し、数回繰り返します。

後頭部のストレッチ

壁に寄りかかり、顎を引いたまま後頭部を壁につけるように後方に頭を引きます。10秒程度その姿勢を保ち、数回繰り返します。

肩甲骨のストレッチ①

バスタオルを丸めたものを肩甲骨の下に敷きます。
その上に膝を曲げて仰向けに寝ます。

顎を引いたまま、両手を組んでバンザイをします。
背中が伸びていることを感じながら、30秒程度姿勢を保持します。

肩甲骨のストレッチ②


腕を90°挙げた状態で肘を曲げて後ろに引きます。

このときに胸を張って肩甲骨を後方に引く事を意識します。

まとめ

●ストレートネックとは頸椎のカーブが失われ、真っ直ぐなっている状態である

●普段の不良姿勢による影響が大きい

●修正のためには普段の姿勢改善、環境設定、継続した体操が重要である

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