認知症予防には脳活性化!脳を鍛えるトレーニングの仕方と効果

脳を鍛えると言っても、パズルや塗り絵、折り紙や音読など、様々な脳トレ法があります。

この記事では、どんな脳トレーニング法が認知症予防に効果的なのか?具体的に脳を鍛える方法を紹介しながら、その効果についても説明しています。

また、パズルや脳トレ本などで脳を鍛える際、どうすると効果が出せるのか?
認知症予防効果をアップさせるコツについても紹介しています。

認知症を予防する脳活性化とは?

脳活性化とは、普段使っていない脳細胞を目覚めさせ、使うようにすることです。

どういうことかと言いますと、
私達の脳(大脳)は、約140億個の細胞からできています。

ですが、140億個すべての脳細胞を使っているわけではありません。

どのくらいの脳細胞が使われていると思いますか?

なんと、たったの5%です。

140億個の脳細胞のうち、使われている脳細胞は、たったの5%です。
残りの95%は、使われていません。

しかも、脳細胞は、20歳をピークに、減少していきます。

つまり、年をとれば、取るほど、働いている脳細胞の数が減ります。
結果、物忘れやうっかりミスが増えてくるのです。

認知症も同じです。

認知症は、脳細胞が年齢による減少よりも早いスピードで脳細胞が死んでいきます。

脳細胞が、どんどん死んでいき、働く脳細胞が少なくなるために、数分前の事を覚えていない等の認知症症状が起こってきます。

こうした年齢や認知症による脳細胞の減少が起こっても、脳の働きを維持するために必要なのが、普通使っていなかった脳細胞を使えるようにする脳活性化なのです。

パズルや脳トレ本などは、脳を活性化させる脳トレーニング手段です。

*脳を活性化させる脳トレーニング手段については、3章で説明しています。

脳活性化効果に関係する脳の働き

脳活性化なんて、頭を使うことなら、何をしても同じ!と思っていませんか?

実は、脳を活性化させる脳トレーニングの効果は、脳(大脳)のどこが活性化されるかによって違ってきます。

ところで、皆さんは、脳(大脳)は、4つの場所に分かれていることをご存知ですか?

脳(大脳)は、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の4つに分けることができます。

そして、脳(大脳)の4つの場所は、それぞれ違う働きをしています。

脳の4つの場所が、どんな働きをしているのか?
ちょっとみていきましょう?

前頭葉の働きと脳活性化効果

前頭前野と運動野に分けることができます。

前頭前野

  • 物事を考える(思考力)
  • 感情をコントロールする
  • 意思決定する
  • 注意や意識を高める(集中力、注意力)
  • 計画的に物事を行う(遂行力、実行力)
  • 2つ3つの複数のことを同時に行う(注意分配、同時遂行力、デュアルタスク)

    例:魚を焼きながら、煮物をする。料理をしながら、洗濯物をたたむ。

  • 状況に合わせた判断を行う(判断力)
  • アイデアを生み出す(創造力)
  • 物事を行う時に必要な情報を一時的に記憶する(ワーキングメモリ)

    例:電話帳で電話番号を確認、番号を一時的に記憶して、電話をかける。

  • 蓄えられている膨大な記憶、知識の中から必要な情報を引き出す(記憶の想起)
  • 言葉を話す(コミュニケーション力)

どれが欠けても生活に支障がでてしまう働きばかりですね。
これが脳の司令塔と呼ばれている前頭前野の働きです。

前頭前野を活性化することで、記憶力の改善や集中力、注意力を高めることができます。

*一般的に前頭葉というと、前頭前野を指していることが多いです。
テレビや本で目にする「前頭葉」は、前頭前野のことです。

運動野

  • 手の動き、足の動き、顔の動きなど体を動かす指令を出します。

頭頂葉の働きと脳活性化効果

  • 温度、痛み、さわり心地といった体が感じる温痛覚と触覚を認識します。
  • ものの大きさや形、色を認識します。
  • 物体の距離間、遠近感、左右、上下を判断します。
  • 足し算、引き算、かけ算、わり算などの計算を行います。

頭頂葉を活性化させることで、車をぶつけたり、こすったり等、車運転中の事故を減らすことができます。

側頭葉の働きと脳活性化効果

言語中枢があります。

  • 文字を読んで理解する。
  • 耳から入ってくる音や言葉を理解する(聴覚)
  • 過去の記憶と照らし合わせ人や物を認識する。
  • 苦い、甘い、辛いなどの味を認識する(味覚)

側頭葉を活性化させることで、人や物の名前が思い出しやすくなります。

また、言葉の理解力も高まります。

後頭葉の働きと脳活性化効果

  • 目で見たものの色や形、動きを認識します(視覚)

後頭葉を活性化させることで、目から入ってくる様々な情報を捉えやすくなります。

どうでしたか?
脳は、部位ごとに決められた役割があること、分かっていただけたでしょうか?

認知症は、脳の細胞が徐々に破壊されていく病気です。
そして、脳細胞の破壊は、脳全体に広がっていきます。

ですので、認知症を予防するためには、これら全ての部分を鍛え活性化させる必要があります。

脳を鍛え活性化させるとは
脳を活性化させるとは、脳の細胞を増やすことではありません。
眠っている細胞を目覚めさせること、細胞同士のつながりを増やし、脳の働きを高めることです。このことについての詳しい説明は、「脳の老化が認知症の正体!?認知症予防のカギは脳活性化」を読んで下さい。
*認知症の種類によって、強く破壊される場所が違いますが、ここでは、どのタイプの認知症も予防することを目的にしていますので、脳全体を鍛える必要があるとしています。

認知症予防に効果的な脳を鍛える脳トレーニング法を紹介

さて、ここからは、具体的に何をすると脳を鍛えることができるのか?
具体的な脳トレーニング法を紹介していきます。

認知症予防のための脳トレ法①:脳トレ本

「脳トレ、脳トレ」と、もう最近は、耳にタコができるくらいよく聞きますよね。

そして、脳トレ本も、たくさん出版されていますね。

どれを買えば良いのか迷ってしまうのもありますが、そもそも、脳トレ本って効果があるのでしょうか?

*様々な種類の脳トレ本がありますが、ここでは、計算、漢字の読み書き、クロスワード、間違い探し、迷路など頭を使う問題(脳トレ問題)を解くことによって脳の働きを高める(脳を活性化させる)ことを目的に作られた本を脳トレ本と呼ぶことにします。

今、世界中で脳トレ本の効果を検証する研究が行われています。

そして、「効果がない」とする論文もあれば、「効果がある」とする論文もあります。

いったい、どっち?って思いますよね。

これ、どちらも正解なんです。

実は、脳トレ本の効果を左右するのは、そのやり方です。

そこで、脳トレ本を使って脳を鍛える際のポイントをご紹介いたします。

認知症予防効果アップポイント①:1種類ではなく、たくさんの種類の脳トレ問題を解く

計算問題ばかり、間違い探しばかりではなく、計算問題もするけれど、間違い探しもする。
という具合に、なるべく多くの種類の脳トレ問題を解くようにします。

なぜか?
それは、脳は分業制で、担当している働きが場所によって違うからです。

どういうことかというと、
脳トレ問題には、いろいろな問題がありますよね。

それぞれ、どんな効果があるか知っていますか?

え!問題によって効果が違うの?と思った方もいますよね。

脳トレ問題は、問題の種類によって、鍛える脳機能が違います。

どう違うのか?代表的な脳トレ問題を例にあげながら説明していきます。

icon-chevron-circle-right 計算問題
計算問題、例えば、「15+21=」といった問題ですね。
計算問題では、主に「数字の計算」を担当している側頭葉が鍛えられます。

icon-chevron-circle-right 間違い探し
間違い探しは、2枚のイラストや写真を見比べながら、違う部分を探す問題ですね。
間違い探しでは、主に「色や形の認識」を担当する頭頂葉が鍛えられます。

icon-chevron-circle-right 迷路
迷路は、スタートからゴールまでの道のりを見つける問題ですね。
迷路では、主に「計画的行動」を担当する前頭葉前頭前野が鍛えられます。

このように、脳トレ問題の種類によって、主に使われる脳機能が違います。
つまり、問題を解く時に、活性化される脳の場所も違ってきます。

ですので、脳全体を活性化させるためには、鍛えるためには、色々な種類の脳トレ問題を解く必要があるのです。

ここで紹介した脳トレ問題を解くことで鍛えられる部位は、主に鍛えられる部位です。
問題によっては、その他の脳機能や部位が鍛えられる問題もあります。

認知症予防効果アップポイント②:楽しいと感じられるものをする

学生時代を思い出してみてください。好きな教科と嫌いな教科がありましたよね。

そして、好きな教科は、テストで高得点がとれるけど、嫌いな教科は、一生懸命勉強してもテストで点がとれない経験なかったですか?

これは、脳の偏桃体と呼ばれる部分が関係して起こっている現象です。

楽しい!面白い!好き!という感情が起こると、偏桃体が脳全体の働きを高めるように指令を出します。

逆に、つまらない!面倒!仕方なし!という感情が起こると、偏桃体が脳全体の働きを抑えてしまう指令を出します。

ですので、脳トレを行う際は、自分が楽しい!と思えるものをするようにしましょう!

認知症予防効果アップポイント③:長時間しない

人間の集中力は、もって10分と言われています。
脳トレ問題が解けない時、何時間も考え込んでいませんか?

その行為は、脳を疲れさせるだけです。
脳が疲れてしまうと、脳機能も低下してしまい、かえって逆効果です。

1問10分を目安に脳トレ問題に取り組んでみましょう!

10分考えても解けない問題に出くわした時は、そこでストップ!休憩をとりましょう!

認知症予防効果アップポイント④:継続できるもの

「継続は力なり」という言葉がありますよね。
脳トレも同じです。1か月よりも3か月、半年とコツコツ取り組んでいくことで初めて効果を発揮します。

1日に何ページもする必要はありません。長く続けることが大切です。

認知症予防効果アップポイント⑤:色で、さらに脳を刺激

真っ赤に染まった紅葉や雪の金閣寺など色鮮やかなものは、記憶に残りやすいと感じたことはありませんか?

カラーとモノクロ、どちらが記憶に残りやすいかを実験した研究があります。

それによると色記憶は直接、記憶を司る海馬に入っていき、記憶に残りやすいそうです。

また、赤い色は興奮、青い色は落ち着きという具合に、
色は感情も刺激します。

つまり、色彩豊かなカラーの脳トレ本は、記憶を司る海馬や感情を司る偏桃体を刺激する作用があります。

偏桃体とは
海馬のすぐ近くにあり、感情を司る脳の重要器官。
「楽しい」「面白い」などのプラス感情によって刺激されると脳全体の働きを高める指令を出す。
逆に「面倒」「つまらない」などのネガティブ感情によって刺激されると脳全体の働きを弱めてしまう指令を出す。

全体的に、脳トレ本は、前頭葉とくに前頭前野の働きを高め、活性化させるものが多いです。

それは、前頭葉には、生活を送るうえで必要不可欠な脳機能が集まっている脳の司令塔だからです。

ここで説明した5つのポイントを参考に脳トレ本を選び、活用してみると良いかと思います。

とよだクリニック
とよだクリニック

この記事を執筆した医師の豊田早苗先生が問題作成された脳トレ本があります。その中から最新作の1冊を紹介させて頂きます。

とよだクリニック
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「日本全国ご当地自慢脳トレブック」は、北は北海道から南は沖縄まで、47都道府県のご当地名物や自慢の観光地が間違い探しや迷路、しりとりやパズルなど多種多様な脳トレ問題になって登場しています。47都道府県全て登場しており、自分が住んでいるところや出身地がどんな問題になっているのかも楽しみの1つです。様々な脳機能が満遍なく鍛えられるように工夫されていますので、是非、チャレンジしてみて下さい!

「日本全国ご当地自慢脳トレブック」の問題を解いてみたい!という方は、
「ご当地脳トレ問題にチャレンジ」に、書籍より6問抜粋して掲載しています。
どうぞ、チャレンジしてみてください!

認知症予防のための脳トレ法②:パズル

数年前になりますが、カナダのトロント大学が「運動や食事、脳トレなど認知症予防効果があるとされているものを調査した結果、明らかな認知症予防効果があったのはパズルだけであった」とする研究論文を発表しました。

パズルと一口に言っても、ジクソーパズルに代表される図形パズルからクロスワードに代表される文字パズルなど色々あります。

ここでは、ピースを組みわせて形を作る図形パズルについて説明させていただきます。

ジクソーパズルを想像してみてください。

図形パズルに取り組むとき、
ピース同士の形やピースに描かれている柄をヒントに、組み合わせて行きますよね。

この時に使われている脳機能は、

  • 完成すると出来上がる絵柄を記憶しておく(前頭葉ワーキングメモリ)
  • ピースの形や大きさを認識する(頭頂葉)
  • ピースに描かれている色や形からつながるピースを探す(前頭葉推察力、注意力)
  • 指先を動かしピースを組み合わせていく(前頭葉運動野)

つまり、図形パズルは、頭頂葉や前頭前野を刺激し、活性化させることに加えて、指先を使う動きが加わりますので、前頭葉運動野も刺激され、より広範囲に脳を活性化させることができます。

とよだクリニック認知症予防センターでも、「かたち合わせパズル」という平面パズルを開発し、実用新案も取得しています。

ジクソーパズルは、

  • ピースの数が増えると難しくなる。
  • 完成したら、バラバラにしたくなく、繰り返し使えない。

という問題があり、どうしても「認知症予防に必要な継続的に取り組む」という面で難点がありました。

そこで、三角形や四角形など単純な図形を組み合わせて、家や船などの形をつくるパズル「かたち合わせパズル」を開発しました。

何度も繰り返し取り組めますし、家や船、鳥など、普段知っている物の形を作るので、楽しく取り組めます。
実際、認知症(特に脳血管性認知症)と診断された方の症状改善も認められました。

「かたち合わせパズル」は、病院や介護施設でも採用してもらい、現在は、すべての在庫がなくなり、販売を一時中止しています。
現在は、立体かたち合わせパズルとして、リニューアル準備中です。

ジクソーパズルに代表される平面的な図形パズルよりも、もっと効果的に脳を活性化させるパズルがつみきに代表される立体図形パズルです。立体図形パズルの認知症予防効果については、
「前頭葉と頭頂葉を鍛える立体図形パズルで脳トレーニング」で説明しています。

↑画像をクリックすると記事が読めます。

認知症予防のための脳トレ法③:塗り絵

線で描かれている絵に自分が好きなように色を塗っていくのが塗り絵ですね。

塗り絵は、単に色を塗っていくだけと思われがちですが、違います。

自分の中で出来上がりのイメージを持ち、どこにどの色をどのように塗っていくか考えなければいけません。

つまり、創造力と思考力が必要とされます。

加えて、色を塗る場所の認識や自分塗った色の認識ができなければ、塗り絵を完成させることはできません。

ただ色を塗るではなく、色の配置や濃さなども考えながら塗り絵を行うと、脳がより活性化されて効果的です。

認知症予防のための脳トレ法④:折り紙

子供の頃にした記憶のある懐かしい紙遊びですね。

鶴?手裏剣?風船?
何を折って遊びましたか?

折り紙は、1枚の正方形の紙を折り方に従って折っていくと、物の形が出来上がります。

  • どう紙を折ればよいのか考える(前頭前野思考力)
  • 計画的に紙を折っていく(前頭前野遂行力)

この2つの作業ができてはじめて、折り紙を折ることができます。

さらには、折り紙を折るために指先を使いますね。
指先運動は、前頭葉の運動野を刺激します。

また、折り紙は、自分が好きなように折ることもできます。
これは、アイデアを生み出す創造力を鍛えることになります。

折り紙は、前頭葉を強力に刺激する遊びだったのです!

せっかくですので、昔懐かしい折り紙に取り組んでみましょう!

ここで紹介した脳トレーニング法以外にも、オセロや将棋、囲碁、音読など、脳の働きを高めて活性化させるものがいくつもあります。

 
ですが、どの脳トレーニングにも共通して言えることは、

  • 楽しんですること
  • 継続すること

この2つが認知症予防効果を発揮するためには必要不可欠です。

まずは、自分がやってみたい!と思ったものから取り組んでみましょう!

まとめ

認知症を予防する脳トレーニング法そして脳トレ本に取り組む際のポイントについて説明させて頂きました。

認知症は、進行性の病気で発症してしまうと、なかなか改善することは難しい病気です。

ですので、自分には関係ないと思わず、予防に取り組んで頂き、発症を防いで欲しいと思います。

脳トレーニング以外に、食事と運動も認知症を予防するためには必要なことです。

icon-chevron-circle-right 「認知症予防は毎日の食事から!脳に良い食べ物と悪い食べ物を紹介」

icon-chevron-circle-right 「認知症は予防できる!脳を活性化させる運動方法と予防体操を紹介」

も合わせて読んでみましょう!

また、何故、脳を鍛えることが認知症予防になるのか?については、「脳の老化が認知症の正体!?認知症予防のカギは脳活性化」で詳しく説明しています。

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