前頭葉を鍛えるって何?前頭葉の鍛え方と効果

認知症

最近、「すぐ忘れるようになった」「なかなか思い出せなくなった」と記憶力の低下を感じていませんか
前頭葉を鍛えることで、記憶力や集中力、判断力や注意力の衰えを改善することができます!
前頭葉を含めた脳の働きについて説明しながら、前頭葉を鍛えるとは何か?前頭葉を鍛える具体的な方法や効果についても説明していきます。

前頭葉って何?脳の構造と働きについて

人間の脳は、大脳、脳幹、小脳の3つで構成されています。

そして、脳の大部分を占める大脳は、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の4つの部分に分かれています。
脳は完全分業制。それぞれ担当している役割があります。

「前頭葉」が、どんな働きをしているのか簡単に説明します。

前頭葉の働き

さらに細かく前頭前野、運動野、運動前野の3つに分けることができます。
それぞれどんな働きをしているのでしょうか?

前頭前野

前頭前野は、生活するうえで欠くことができない機能が集まっている脳の司令塔です。

どんな働きをしているかと言うと・・・

  • 物事を考える(思考力)
  • 感情をコントロールする
  • 意思決定する
  • 注意や意識を高める(集中力、注意力)
  • 計画的に物事を行う(遂行力、実行力)
  • 2つ3つの複数のことを同時に行う(注意分配、同時遂行力、デュアルタスク)

    例:魚を焼きながら、煮物をする。料理をしながら、洗濯物をたたむ。

  • 状況に合わせた判断を行う(判断力)
  • アイデアを生み出す(創造力)
  • 物事を行う時に必要な情報を一時的に記憶する(ワーキングメモリ)

    例:電話帳で電話番号を確認、番号を一時的に記憶して、電話をかける。

  • 蓄えられている膨大な記憶、知識の中から必要な情報を引き出す(記憶の想起)
  • 言葉を話す(コミュニケーション力、ブローカー言語中枢)

どれが欠けても生活に支障がでてしまう働きばかりですね。
これが前頭前野が脳の司令塔と呼ばれている理由です。

一般的に前頭葉というと、前頭前野を指していることが多いです。
テレビや本で目にする「前頭葉」は、前頭前野のことです。

運動野、運動前野

手の動き、足の動き、顔の動きなど体を動かす指令を出します。

前頭葉の機能が低下するとどうなる?

「最近、物忘れしやすくなった」「なかなか人や物の名前が出てこなくなった」なんてことありませんか?

前頭葉は、年を取る中で、最も早くから機能低下が起こってくる場所です。

さて、前頭葉の機能が低下すると、どんなことが起こってくるのでしょうか?

今度は、前頭葉の機能が低下すると起こってくる症状について、みていきましょう。

  • 状況を判断しての行動ができない

    例:レジの順番を待てない、雨なのに散歩に出かける

  • 計画的に又は段取りよく行動することができない

    例:1つの料理を作るのに時間がかかる、手順が分からず料理を作ることができない

  • 注意散漫となり、ミスが多くなる

    例:火の消し忘れ、水道の閉め忘れ

  • 同時に2つのことをしようとすると、片方を忘れてしまう。

    例:料理中に宅配物を受け取りに出ると、何をしている最中だったか忘れてしまう

  • 感情が不安定で、急に泣いたり、怒ったりする
  • 今まで当たり前に出来ていたことができなくなる

    例:テレビのスイッチを入れることができない

  • 言葉がなかなか出てこない

    例:あれ・これ・それが多い会話になる

  • 手足を思うように動かせない

といった症状が出てきます。

あれ?どこかで聞いたような?
そうですね。
前頭葉の機能低下で起こる症状は、認知症でも見られる症状です。

認知症は、脳の細胞が破壊され減っていく病気です。

特にアルツハイマー病では、早い段階から前頭葉の働きが障害されてきます。

だから、認知症の症状と前頭葉の機能低下による症状は、認知症の進行度によって、程度の差はありますが、基本は、同じです。

また、前頭葉の機能低下は、老化やストレスでも起こってきます。

icon-caret-square-o-right 「ストレスで脳が萎縮する?ストレスが脳に与える悪影響と脳萎縮を防ぐ方法」

前頭葉を鍛えることで得られるメリット、効果

生活を営む上で必要不可欠な働きをしているのが前頭葉です。

そして、認知症でなくても、年のせいによる脳の老化やストレスでも、前頭葉の働きは悪くなってきます。

前頭葉を鍛えることは、前頭葉を刺激するトレーニングを行うことは、記憶力の低下や注意力の低下、判断力の低下、激しい感情の起伏などを防ぐことにつながります。

では、どんな効果があるのか?具体的にみていきましょう。

1:記憶力なかでも記憶を引き出す力(思い出す力)が良くなる

記憶力は、「情報のインプット」「記憶として保存」「記憶を引き出す」の3つで構成されています。

記憶力テストを受けたことはありますか?

よく行われる記憶力テストでは、まず覚えるべき単語がいくつか出題されますよね。

そして、時間をおいて、さっき覚えた単語は何か?と質問されますよね。

記憶力テストを例にとって説明すると、

覚えるように言われた単語を目で見て、記憶すべき情報として脳に伝える。
これが「情報のインプット」です。

そして、脳に伝えられた単語は、記憶として処理されます。
これが「記憶として保存」です。

時間をおいて、さっき覚えてもらった単語は何でしたか?と質問された時には、
脳に保存されている膨大な量の記憶の中から答えを探し出します。
これが「記憶を引き出す」です。

前頭葉の働きが悪くなると、記憶力の中でも、「記憶を引き出す」(記憶の想起力)が低下してきます。

ですので、「あれ?何だったけ?」となかなか思い出せなくなるのです。

※記憶力は、記憶の保存に関与している側頭葉、記憶のインプットに関与している海馬との連係作業です。
ですので、記憶力の低下を防ぐには、前頭葉だけでなく、他の部位も鍛える必要があります。

2:複数のことが同時にできるようになる

1つすれば1つを忘れるという具合に、年を取ってくると、複数のことを同時に行うことが難しくなってきます。

複数のことを同時に行うことを、専門的には同時遂行力もしくはデュアルタスクと言います。

コグニサイズをご存知ですか?

認知症を予防する運動として国立長寿健康センターが開発しました。

コグニサイズは、「足踏みしながら、数字を数え、3に倍数の時に手をたたく」など複数のことを同時に行います。

また、家事は、最も代表的なデュアルタスクです。

家事を行うとき、まず、洗濯。洗濯が終わったらお風呂掃除なんて、1つずつしていては時間がいくらあっても足りませんよね。

おそらく、ほとんどの方が、洗濯機に洗濯物を入れて、洗濯が終わるまでの間に、お風呂を掃除してしまうという具合に、同時に2つの以上のことを行っておられるのではないでしょうか?

家事やコグニサイズのように同時に複数のことを行うように意識的にすることで前頭葉の働きが良くなり、若いころのように、複数のことが同時にできるようになってきます。

3:注意力や集中力、判断力が高まる

高齢者による車の逆走やアクセルとブレーキの踏み間違いによる衝突事故が増えていますよね。

これは、年を取って、前頭葉の働きが悪くなり、注意力や集中力、判断力が衰えてきている証拠です。

4:仕事の効率がよくなる

前頭葉の働きの中にワーキングメモリという働きがあったのを覚えていますか?

ワーキングメモリは、別名作業記憶とも言います。

どんな機能かというと、
ある作業を行うときに、ほんの少しの時間だけ記憶するというものです。

ワーキングメモリは、仕事や勉強をする上では、とても重要な働きなんですよ。

なぜかというと、

例えば、職場で取引先からの電話を受けたとします。

電話の内容をメモするにしても、いったん、言われたことを記憶してメモしますよね。
これがワーキングメモリです。

もし、ワーキングメモリが上手く働かなければ、電話で言われると同時に忘れてしまうので、何を言われたのか分からず、メモすることもできません。

電話応対も同じですよね。
相手が話すことをいったん記憶します。
そのうえで、返答をしますよね。

ワーキングメモリが上手く働かなければ、仕事になりませんね。

5:その他

「物事を段取り良く進めることができるようになり、作業時間が短縮できる」「感情のコントロールが上手くできるようになり、一時の感情に流されて衝動買いすることが減る」「些細なことで気分が落ち込んだり、不安になってしまうことが減る」などの効果もあります。

あなたの脳年齢は?

前頭葉を鍛えるって何?

前頭葉の働きや鍛えることで得られるメリットについて説明してきましたが、「そもそも前頭葉を鍛えるって何」と思いませんか?

皆さんは、脳トレ本で、脳の前側部分が真っ赤になっている写真を見たことがありますか?

あれが、前頭葉を鍛えるということ、脳活性化だと思った人も多いのではないでしょうか?

ですが、あれは、脳の血流が増えた事を示している写真で、脳活性化とは少し違います。

もし、「脳の血流が増える事=脳活性化」なら、別に脳トレしなくても、普段の生活で、脳が活性化している事になります。

何故なら、食事しても、テレビを見ていても、スマホをいじっていても、脳は使われており、脳の血流は増えているからです。

実際、医学論文雑誌JAMA(2020年12月)によれば、脳の血流を増やすとされる運動やマインドフルネス瞑想を、物忘れなど年齢的な脳機能の衰えを感じている方を対象に運動とマインドフルネスを積極的に行う介入を6か月間行ったが、積極的に運動やマインドフルネス瞑想を行わなかった群と比較して、認知機能を改善させる効果は認められなかった!と発表されています。

では、前頭葉を鍛えるとは、一体どういう事なのでしょうか?

それは、普段とは違う刺激を脳細胞に与えて、脳細胞同士をつないでいる情報回線を増やすことです。

もしくは、普段あまり使われていない眠っている脳細胞を目覚めさせる事です。

それには、頭を使う事+脳の扁桃体と呼ばれる部分の働きを高める「ワクワクする」「気持ちいい」などの快楽感情が必要です。

icon-caret-square-o-right 「懐かしい!楽しい!がカギ。感情刺激が脳活性化には必要」

中年期からの脳トレーニングが認知症を防ぐ!

最新の認知症予防研究によれば、中年期から脳トレを行うと、認知症予備軍である軽度認知障害(MCI)の発症リスクを50%も低くすることができるそうです。

また、前頭葉だけよりも、脳の様々な部位を鍛える方が認知症予防効果が高いそうです。

そこで、オススメなのが「日本全国ご当地自慢脳トレブック」です。

「日本全国ご当地自慢脳トレブック」は、前頭葉のあらゆる機能を鍛える問題が沢山掲載されていますし、若い方からお年寄りまで、どの年代の方でも楽しめる問題となっています。

また、前頭葉だけでなく、頭頂葉や側頭葉、後頭葉といった脳の他の部位も鍛える問題もあり、認知症予備軍である軽度認知障害が改善したケースもあります。

前頭葉をしっかり鍛えたい!認知症を予防したい!という方にオススメの脳トレ本です。

 

【2020.6.5】
関西ABCテレビの朝の情報番組「おはよう朝日です」の人気コーナー「おきたらんど」で、「日本全国ご当地自慢脳トレブック」が紹介されました!


 
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前頭葉を鍛える具体的なトレーニング方法

前頭葉は、生活を営む上で重要な役割を担っている脳の司令塔です。

前頭葉の機能が低下してしまうと、

  • 記憶力の低下や集中力の低下、判断力の低下が起こります。
  • 物事の優先順位決定が上手くできず、作業効率が悪くなり、時間がかかるようになる。
  • 感情の起伏が激しくなり、イライラしやすくなったり、不安になりやすくなる。

といったことが起こってきます。
このような状態に陥ってしまわないように、日ごろから前頭葉を刺激し、鍛えておくことが必要です。

そして、老化やストレスによる前頭葉の機能低下は、認知症と違い、いくらでも回復可能です。

脳トレは時間がない!という方は、前頭葉を鍛えるコツを身につけて、普段の生活をちょっと工夫するだけでも違ってきますので、ぜひ、取り組んでみてください。

icon-caret-square-o-right 「どうしたら前頭葉を鍛えることができるの?手軽にできる前頭葉を鍛える方法とコツ」

前頭葉を鍛える懐かしい遊び

前頭葉の働きを高める効果のある昔懐かしい遊びについて紹介します。

しりとり

子供のころ、お友達同士や家族で、しりとり遊びをしましたよね。
なんだか懐かしいですね。

しりとりは、ご存知のように、前の人が言った単語の最後の文字で始まる単語を次の人が言っていく言葉遊びです。

子供のころは、単なる遊びとしてやっていましたよね。

でも、しりとりには、強力に前頭葉を鍛える効果があるんですよ!

前頭葉の働きに「状況に合わせた判断を行う」「習得した知識を使う」があったことを覚えていますか?

しりとりを行う時、

  • 前の人が言った単語を理解し、最後の文字は何か判断する(判断力、言語中枢)
  • 最後の文字で始まる単語を自分が知っている単語、つまり、知識の中から選び出して言う(記憶の想起、言語想起)
  • すでに出た単語を覚えておく(記憶)

という風に、前頭葉や言葉を理解する(ブローカー言語中枢)がしっかり使われています。

前頭葉を使い、刺激することで、前頭葉を鍛えることができます。

 

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折り紙

こちらもまた子供の頃にした記憶のある懐かしい紙遊びですね。

鶴?手裏剣?風船?
何を折って遊びましたか?

折り紙は、1枚の正方形の紙を折り方に従って折っていくと、物の形が出来上がりますね。

つまり、

  • どう紙を折ればよいのか考える(前頭前野思考力)
  • 計画的に紙を折っていく(前頭前野遂行力)

この2つの作業ができてはじめて、折り紙を折ることができます。

前頭葉の働きに当てはめると、思考力と計画的な行動です。

さらには、折り紙を折るために指先を使いますので、前頭葉の運動野、運動前野も刺激されます。

また、折り紙は、自分が好きなように折ることもできます。

これは、アイデアを生み出す創造力を鍛えることになります。

それでは、せっかくなので、ツルを折ってみましょう!
折り方を忘れたという人は、動画を見ながら折ってみましょう!

オセロ、将棋、囲碁

将棋や囲碁をしたことない人でも、オセロなら1度くらいはしたことがある人も多いのではないでしょうか?

オセロは、2人で交互に白もしくは黒の駒を置いていきます。

相手の駒を自分の駒が挟むと、相手の駒の色が自分の駒の色に変わります。

最終的に、駒の数が多い方が勝ちです。

オセロをする時、何も考えずに駒を置く人なんていませんよね。

「四隅の角をどうやって取ろうか?」

「相手に角を取らせないようにしないと」

「より多く自分の駒の色に変えることができる場所はどこか?」

等々、いろんなことを考えながら、オセロをしますよね。

つまり、オセロには、

  • 駒をどこに置くべきかを考える(思考力)
  • 相手がどこに駒を置くのかをじっと見る(注意力と集中力)
  • どう駒を置くていくと自分が有利になるかを考えながらする(計画的な行動)
  • 過去の経験から適切な駒を置く場所を考え出す(記憶の想起)
  • 自分の駒を置く、相手の駒を裏返す(手先を動かす)
  • 対戦終了後には、相手とおしゃべり(コミュニケーション)

と前頭葉の働きを活性化させる要素が沢山あります。

オセロだけでなく、将棋や囲碁も同じです。

将棋は、8種類の駒があります。
そして、それぞれ動き方が違います。

駒の動きを覚えないといけませんし、8種類の駒が違う動きをするので打つ手を考え出す作業はオセロとは比べ物になりません。

囲碁は、白と黒の石を盤上に交互に置いていき、自分の陣地を広げていきます。

オセロと同じような部分がありますが、囲碁盤はオセロよりも大きいですし、ルールもオセロより少し複雑です。

囲碁を行っている最中の脳の血流を調べた研究によると、前頭葉の血流が増加し、活性化していることが確認できたそうです。

昔、囲碁や将棋をしていた人は、これを機会に、もう一度、始めて見てはいかがでしょうか?

囲碁や将棋は分からない!という人は、家族とオセロを楽しんでみてはどうでしょうか?

パズル

パズルと聞いて、頭に浮かぶのは、クロスワードパズルやジグソーパズルですよね。

クロスワードパズルもジグソーパズルも、些細な手がかりから当てはまる言葉やピースを見つけ、はめ込んでいきます。

こうした作業は、前頭葉の推察力や遂行力、判断力やワーキングメモリを主に鍛える事ができます。

特に、ジグソーパズルは、絵柄を完成させる事を目的としていますので、前頭葉に加えて、色や形を認識する頭頂葉も鍛えられます。

そして、ジグソーパズルよりも、もっと前頭葉と頭頂葉を鍛える事ができるのがつみき等の立体ブロックパズルです。

つみき等の立体ブロックパズルでは、空間認知力と言われる、自分の頭の中で、立体的にものを把握したり、イメージする脳力が要求されます。

目の前の景色を見てください。
立体的に見えていますよね。
これが頭頂葉の最も重要な働きである空間認知力です。

立体的に捉えることができるから、歩くことも、食事する事も、全ての行動ができるのです。

空間認知力は、年齢とともに衰えます。空間認知が衰え始めると、道を間違えたり、迷ってしまったり、距離感や方向感覚が掴めず、車をぶつけてしまうなどが起こってきます。

頭頂葉は、前頭葉の働きと比べると大した事ないと思われがちですが、脳がキャッチする情報の8割は視覚情報です。
目で見たものの色や形、高さや幅、奥行きといった大きさ、物と物の距離感などを瞬時に判断し、前頭葉に伝えます。

つまり、前頭葉の働きを支えているのは頭頂葉で、頭頂葉が正しく機能しているからこそ、前頭葉が働くことができるのです。

とよだクリックでは、認知症の予防やリハビリ、さらには、脳梗塞のリハビリとして最適な立体かたち合わせパズルを開発いたしました。

全国の病院や老人施設でも人気のつみきパズルです。
立体ブロックパズルの効果について詳しく知りたい方は、下記記事で説明しています。

かたち合わせパズル詳細

前頭葉を鍛える運動(ウオーキング、散歩)

ウオーキングなどの有酸素運動を行うと、血行が良くなります。

全身の血行が良くなると、当然、脳への血流も良くなります。

脳への血流が増えると、大量の酸素や栄養が脳細胞に運ばれてきます。

沢山の酸素と栄養は、脳のネットワーク回路を増やします。

20分ウオーキングすると、前頭葉の働きが13%増えるとする研究報告があります。

さらには、週に3回40分ウオーキングを行っている人は、全く運動習慣のない人に比べて6割も認知症の発症率が低いとする報告もあります。

全くこれまで運動習慣のなかった方が、急に、運動するのは心臓に負担がかかり危険ですので、まずは、10分程度歩くことから始めてみては、どうでしょうか?

また、ただ、歩くだけでなく、周りの景色を見ながら、いつもと違うことを見つけるようにすると、注意力が鍛えられ、さらに効果的です。

 

合わせて読みたい!

前頭葉を鍛える食べ物

前頭葉は、脳の1部分です。
ですので、前頭葉だけを鍛える食べ物はありません。

脳の働きをよくする食べ物については、「認知症予防は毎日の食事から!脳に良い食べ物と悪い食べ物を紹介」で詳しく説明しています。オススメ料理レシピもあります。

↑クリックすると記事が読めます。

読書(音読、黙読)

声に出して文章を読むことを音読と言います。

逆に、声に出さずに文章を読むことを黙読と言います。

どちらも読書の仕方ですが、脳の働きを考えると、この2つには大きな違いがあります。

黙読
●書かれている文字を目で見る

●目から入ってきた文字情報を言葉として理解する

●同時にどこまで読んだのか一時的に記憶する

 

音読
●書かれている文字を目で見る

●文字を音にして声として発する

●目から入ってきた情報、耳から音として入ってきた情報を言葉として理解する

●同時にどこまで読んだのか一時的に記憶する

 
違いが分かりますか?

黙読の方は、目からの情報のみです。

一方、音読の方は、耳からも情報が入ってきます。
さらには、声として言葉を発しますので、口や喉(声帯)を動かします。

脳の働きに当てはめてみると、

黙読
●目から入ってくる情報を処理する後頭葉が働きます

●文字情報を言葉として理解するために側頭葉が働きます

●どこまで読んだのかを常に把握していないと先に読み進めていけませんよね。
なので、ワーキングメモリを担当している前頭葉も働きます。

 

音読
●目から入ってくる情報を処理する後頭葉が働きます。

●耳から入ってくる情報を処理する側頭葉の聴覚野が働きます。

●文字情報を言葉として理解するために側頭葉が働きます

●どこまで読んだのかを常に把握していないと先に読み進めていけませんよね。
なので、ワーキングメモリを担当している前頭葉も働きます。

●口や喉(声帯)を動かすために前頭葉の運動野、運動前野が働きます。

 
どうですか?

黙読よりも音読の方がより前頭葉や側頭葉が使われます。

つまり、音読の方が前頭葉を鍛える効果が高いということです。

読書をする際は、黙読ではなく音読してみましょう。

認知症を予防するためには、前頭葉だけでなく、脳全体を鍛える事が必要!

ここまで、前頭葉を鍛えるメリット、鍛え方について説明してきました。

ですが、年齢による脳老化の老化や認知症は、前頭葉だけでなく、海馬も含め脳全体に起こってきます。

脳全体をくまなく鍛える方が前頭葉だけを鍛えるよりも、認知症予防効果が高いことも分かっています。

前頭葉は勿論ですが、脳全体を鍛える脳トレーニングで、脳の老化そして認知症を予防しましょう!

合わせて読みたい!

(参考文献)
1:教育心理学研究,2007,55,538-549
2:高次脳機能研究31(3): 311 ~ 318,2011
3:Regular exercise changes the brain to improve memory, thinking skills APRIL 05, 2018
4:IPSJ SIG Technical Report Vol2015

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