認知症を予防するには「懐かしい」+「ワクワク感」が必要!

多くの方が「脳トレ」=「頭を使うこと」と理解していませんか?
そして、頭を使う脳トレをすることで、認知症や物忘れが予防できると思っていませんか?

確かに、計算やパズルを解くなど頭を使うことは、脳を刺激する脳トレーニング(いわゆる脳トレ)になります。
ですが、ただ頭を使うだけの脳トレーニングを行っていても、認知症や物忘れを予防することはできません。

では、いったいどうしたら認知症や物忘れを予防できるのでしょうか?

認知症は、脳の血流量を増加させるだけでは予防できない!

皆さんは、下のような写真を目にしたことはありませんか?
このような写真を目にして、「脳が活性化している!」「認知症予防に効果がある!」と思ってしまっていませんか?

よく見かけるこうした写真は、脳が活性化している写真ではありません。
脳の血流量が増えていることを示しているだけの写真です。

脳の血流量は、計算問題を解いたり、漢字パズルを解いたり等、いわゆる脳トレを行わなくなくても、
テレビを見たり、ゲームをしたり、家事をしたり、散歩したり等、生活の一環として行われている行動でも増えます。

逆に、頭を使っていても、問題を解くのに必死になったり、料理の献立で悩んだり等、ストレスが加っている状態では、脳血流量は増えません。

つまり、「頭を使いさえすれば、脳の血流量が増加して、認知症が予防できる!」と考えるのは、飛躍しすぎです。

でも、脳の血流量が増えれば、細胞が活発に働き、脳が活性化するのでは?

確かに、脳の血流量が増えれば、細胞に沢山の酸素や栄養が届き、細胞の働きがよくなります。

ですが、脳血流量の増加で、脳活性化が起こり、認知症を予防できるなら、普段の生活でも、脳の血流量は増えますから、認知症になる人なんて、いないはずですよね。

認知症を予防する脳活性化って何?

脳活性化とは、脳の神経細胞同士の働きが高まることを言います。

脳の神経細胞は、神経伝達物質と呼ばれる物質を受け渡しすることで、細胞から細胞へ情報を伝達しています。
この情報伝達(脳の神経細胞同士の働き)が上手くいかなくなると、脳の働きは低下し、物忘れなどの認知機能障害が起こってきます。

つまり、神経伝達物質が沢山分泌されることで、脳の神経細胞同士の働きが活発になり、情報伝達がスムーズに行われるようになる。
これが脳活性化です。

歳をとり脳が老化してくると、もしくは、認知症になると、神経伝達物質が上手く分泌されなくなり、脳細胞同士の働きが悪くなります。
ですので、脳の老化や認知症を予防するためには、この脳活性化を起こすことが必要不可欠です。

また、記憶を司る海馬と呼ばれる部位の脳神経細胞は、脳で唯一、増えることができる細胞ですが、海馬の細胞は脳血流を増やしても増えません。

どうしたら、海馬の細胞が増えるのかについては、次の章で説明します。

懐かしい!+ワクワク感が脳を活性化させ、認知症を予防する!

神経伝達物質が増えると脳が活性化されるのですが、どうしたら神経伝達物質が増えて脳活性化が起こるのでしょうか?

その答えは、ずはり、「感情刺激」です。

もうすこし詳しく説明すると、「懐かしい!」「ワクワクする!」という感情が沸き起こると、脳の神経伝達物質の1つであるドーパミンが増えます。

ドーパミンには、海馬、偏桃体、前頭前野(前頭葉の一部)につながる報酬系回路を通じて、この3つの部位の神経細胞を活性化し、働きを高める作用があります。

海馬は、記憶の中枢で、記憶力の維持に関与しています。
偏桃体は、感情の中枢で、感情をコントロールしています。
前頭前野は、思考の中枢で、物事を考え、判断することに関与しています。

ドーパミンによって、これらの部位の働きが高まると、記憶力のアップ、不安感や憂鬱感などのマイナス感情の緩和、思考力のアップが期待できます。

つまり、脳の老化による物忘れや思考力や判断力の低下などの脳機能低下を和らげることができるのです。

さらには、認知症になると、真っ先に機能低下をきたす記憶力の中枢「海馬」の細胞が増えるためにも、昔のことを思い出して「懐かしい!」と感じたり、旅行前に感じる「ワクワクする」気持ちが必要です。

頭を使うだけでなく、「懐かしい!」+「ワクワク感」を感じることが、認知症予防には、とても重要であること、理解していただけましたでしょうか?

認知症予防効果があまり期待できない脳トレ

続いて、物忘れや認知症予防に効果的な脳トレーニングについて具体的に説明していきたいのですが、その前に、皆さんがよく行っているNG脳トレについて紹介しておきます。

せっかく一生懸命、取り組んでいても、あまり効果がないなんて悲しいですよね。

ここで紹介した事を参考に、自分の日々の脳トレを見直してみてください。

同じ問題ばかり解く脳トレ

漢字の問題ばかり、言葉の問題ばかり、数字の問題ばかり、間違い探しばかり等、同じ系統の問題ばかりを解く脳トレを行っていませんか?

脳は、計算はA部位、言葉はB部位という具合に、ある事を行う際、どこが中心となって働くのか細かく決められています。

ですので、同じ系統の問題ばかり解くと、脳が部分的にか使われず、使われない部位の機能は低下していきます。

勉強色の濃い脳トレ

勉強やテストは、いかにも脳トレに効果的なイメージがありますよね。

でも、勉強やテストに対して、皆さんは、どんなイメージを持っていますか?

「しないといけないから仕方なく勉強していた」とか「成績良くないと志望する大学や高校に行けないから勉強していた」など、好きで勉強していたというよりも、必要だから仕方なく勉強していたという方が多いのではないでしょうか?

そう!
この過去の勉強に対する記憶によって、勉強色の強い脳トレでは、脳活性化に必要なドーパミンの分泌がおこらないのです。

文字ばかり、数字ばかりの脳トレ

認知症予防のために脳トレ本を使っている方は、多いかと思います。

脳トレ本は、手軽に脳トレに取り組むことができて便利ですが、脳トレ本の中には、イラストや写真などがあまり使われていない文字ばかり、数字ばかりのものがあります。

こうした文字ばかり、数字ばかりの脳トレ本は、イラストや写真も掲載されているものと比較して、頭頂葉や後頭葉への刺激が弱いです。

皆さんは、脳は、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の4つの部位に分けることができる事を知っていますか。

前頭葉は、思考力や判断力、実行力など、人が人らしい生活を送る上で欠かせない役割を担っています。

そして、この前頭葉が正しく機能する、働くための情報を渡しているのが頭頂葉や後頭葉です。

つまり、頭頂葉や後頭葉の機能が低下すると、前頭葉は上手く働くことができなくなってしまいます。

認知症や物忘れを防ぐ効果的な脳トレをしよう!

今までの話から、認知症や物忘れを防ぐ、悪化させないために効果的な脳トレとは、具体的にどんな脳トレを行うのが良いか察しの良い方は、すでに分かっているかもしれませんが、最後に、まとめておきます。

問題を解くだけではない脳トレをしよう!

今まで説明してきたことをまとめると、

     

  • 頭を使う脳トレだけをしていても、脳の血流量は増えるけど、脳活性化は起こらない。
  • 脳を活性化させるためには、「懐かしい!」+「ワクワクする!」感情が必要。

つまり、ただ問題を解くだけでなく、ただ頭を使うだけでなく、感情が刺激され「懐かしい!」もしくは「ワクワクする!」気持ちが沸き起こってこないと、認知症や物忘れは予防できないということです。

脳トレに取り組んでいる方の多くは、問題を解くことで脳が活性化すると思っていると思います。

ですが、問題を解くことだけでは、脳は活性化しません。海馬の脳細胞も増えません。

頭を使っているという気持ちになれるだけです。

重要なのは、中身を見て、「懐かしい!」「ワクワクする!」といった感情が沸き起こってくるかです。

問題が面白そうとか問題を解いて面白いではなく、まずは、数ページ見て、感情が沸き起こるかをチェックしてみましょう!

「懐かしいなあ!」とか「ワクワクするなあ!」と感じたら、OKです。
問題を解いていきましょう!

脳全体を鍛える脳トレをしよう!

脳トレに取り組む人の中に、「まちがい探し」ばかり、「漢字や言葉の問題」ばかり等、同じタイプの問題ばかりする人がいます。

でも、それは、効果的な脳トレとはいえません。

すでに説明しましたが、脳は、大きく分けて「前頭葉」「頭頂葉」「側頭葉」「後頭葉」の4つに分類されます。

前頭葉は、頭頂葉から整理された情報を伝えられて働きます。
頭頂葉は、側頭葉や後頭葉が得た外部情報を受けて、それを整理し、まとめます。

つまり、4つすべてが連動して動いているのです。
どこか1つでも機能が低下すると、脳は、うまく機能せず、物忘れなどの認知機能障害が起こってきます。

同じ問題ばかりを解いていると、脳が部分的にしか使われず、結果的には脳機能低下をきたすことになります。

脳全体がバランスよく使われるように、いろいろなタイプの問題を解くようにしましょう!

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